最近、真剣勝負の場ではジラサン(ジラーチサンダー)を使うことが多いです。環境に合わせてカスタマイズしながら生き残っているデッキの性格がシブいですよね。
一方、ジラサンは人によっても細かく採用カードが異なるデッキタイプであり、他の方とも共有したいという考えから、微調整を繰り返して形になったマイジラサンを紹介しようと思います。ジラサンを組もうとしている方や、ジラサンを対策したい方のヒントになれば幸いです。
○UBジラサンの強み
まず一般的な話から。
毎ターントレーナーズを引き込めるジラーチと、1エネだけで80+30nダメージ出せるサンダーの組み合わせによって、安定して進化前orシステムポケモン狩りが出来るのがジラサンの強みであり、基本戦法です。対ルガゾロやウルネク等は基本的にこの戦法で相手のテンポを奪いながらサイドを取ることになります。
更に、雷の利点としてカプ・コケコGXのカプサンダーGXで大物狩りも可能になるのがもう一つの強みです。コケコ◇を絡めればどこからでもカプサンダーを飛ばせるので、エネの総数が多くなるTAG TEAM環境ではますます価値が高くなっているといえます。
UB(ウルトラビースト)を採用する意義は大きく二つあると思っています。
ひとつは、先述した大物狩りをより容易に行えるため、です。このデッキではマッシブーン、ウツロイド、カミツルギを採用していますが、それぞれ対応するサイドの時にレインボーエネルギー1枚あれば弱点を突いて簡単にGXやTAGを叩ける打点を確保できます。コケコのカプサンダーは試合に一回しか使えないので、二匹目のTAGを倒すのはサンダーのみではかなり難しいです。そこで、第二第三の矛として多彩なタイプかつ1エネで起動できるUBを採用している、ということですね。
もうひとつは、「ちょっと打点の高いサンダー」として働くため、です。UBの出番は主に中盤になりますが、対非GXでサンダーを動かし続けるのは入れ替え札など要求するカードが多く、80点では物足りないことも多いです。この時マッシの120点、ツルギの130が頼れます。マッシはHP130で場持ちが良く、ツルギはにげ0でベンチに出しておきやすいのも良いですね。エレキパワーを温存できるのも終盤の詰めプランを増やすことにつながるので、中盤の攻めの要として有効です。
欠点はレインボーエネをサンダーに貼ることで耐久力が下がってしまうこと(ベンチ4体ライオットビート、1エネフォトンゲイザーで足りる等)や、UBを使える場面は限られていることですが、それを補って余りある攻撃性能が確保されるので、特に耐久力が上がったTAG環境にはUBジラサンがマッチしているのではないか、と思います。
○デッキレシピ・カード考察
ジラーチ…3枚
3枚しか持っていないので3枚。試合を通して常に2体は回したいですが、バラマキ系(ウルネク・エビサワカポ・コケコ〇〇等)相手に出し過ぎは厳禁。負け筋にならないか判断しましょう。
ねがいぼしでいかに早く、適切なカードを選べるかを磨かなければならないと常に感じます。サポが使えない時はもちろんサポを持ってきますが、特に何もなければボール系優先、サンダーが殴るターンには入れ替え札優先で持ってきています。
サンダー…3枚
TAG相手を重く見れば2でもいいかなと思いますが、本来ジラサンが強く出られる相手に不安定になるのは本末転倒なので3が妥当かなあと思います。
TAG相手に鉢巻エレパ140+祠10+エレパ110+祠10=270などは現実的に狙えるラインなので、前に立って戦うTAG相手にはサンダー主体でも戦えることを頭に入れておくとゲームを進めやすいです。
カプ・コケコGX…1枚
決してワザを打つまで場に出してはならず、しかし常に手札に持っておくべきカードです。1枚ずつしかサイドが取られないために相手のサイド推移をコントロールできてUBが準備しやすいのが非GXデッキの長所ですが、コケコGXで管理が崩れては意味がありません。
基本的にはコケコ◇と合わせて使うことになりますが、レインボーエネルギーもエアロトレイルで引っ張れるので、ベンチに準備していたUBから吸い取ってワザを打つこともたまにあります。手貼りするアタッカーがいないような時も、このポケモンを動かすことを考えてジラーチに雷エネを貼っておくプレイングもアリだと思います。カプサンダーGXを宣告して試合を終わらせるのがこのデッキの理想形です。
カプ・コケコ◇…1枚
このデッキではコケコGXを動かす以外に役割はありませんが、試合を進める中でカプサンダーGX以外での勝ち筋がなくなることも多々あるので使うタイミング以外では基本ベンチに出さない、というのはコケコGXと同じですね。ジャッジマンで流されるリスクとグズマで狩られるリスクを天秤にかけてベンチに出すかを選びましょう。
一回だけメルカリ相手でツルギのみねうちを打つために起動したことがあります。
マッシブーン…1枚
相手のサイドが4枚なら120点
ピカゼクやゾロアークを簡単に落とせるうえ、闘弱点のHP60も相手できます。今はピカゼクゾロアーク共に数を減らしていますが、非GX相手にも強く出られる打点と耐久力なので採用する価値はあると思います。
ウツロイド…1枚
相手のサイドが2枚なら相手の場のワザを使える
レシリザ相手にこの1枚!鉢巻orビーエネ フレアストライク260+祠10=270点に届くので現環境では必須だと思います。初手サンダーが引けなかったからといってうつろなしょくしゅを打つ僕のような雑な扱いはやめましょう。
カミツルギ…1枚
自分のサイドが4枚なら130点 ※「自分」なので注意
鉢巻orビーエネ160+祠10=170点でテテフに届くダイキリも魅力的ですが、にげエネ0も素敵。HPが異様に低いのでジラーチ同様バラマキ系には注意。
ハイパーボール…3枚
調整前は2枚でしたが、特に終盤欲しい時にそのポケモンがいないことが頻発したのと、ねがいぼしでポケモンの数を増やしたいことが多かったので3枚に。リーリエやエリカのために手札を減らす役割も兼ねています。
ネストボール…4枚
絶対4枚。このデッキにはたねしかいません。コケコGXは発動しないので注意。
エレキパワー…4枚
用途は無数にありますが欲しい時に必ず持っておきたいカードなので4枚。体感、UBの火力が後からカバーしてくれるので序盤で雑に使っても良い気はしますが、使わずに済むほど終盤で強いのは言わずもがなです。
ポケモンいれかえ・あなぬけのヒモ…各2枚
それぞれ使いたい場面が違って、一回使ったらもう使えないのはゲームプランを狭めるため3-1や1-3採用を嫌って2-2。
レスキュータンカ…1枚
ピン積みですが雑に切ってはいけないカードです。コケコGXやウツロイドなど勝ち筋を大きく依存しているカードが1枚だけなので、不慮に落とされた時のために必ずデッキに残しておかなければなりません。中盤以降でその心配がなくなった時は、ネスボ代わりとしてジラーチやサンダーに使えます。
こだわりハチマキ…2枚
雑に切ってはいけませんが、渋っても仕方ない、難しいカードです。特にレシリザ相手でウツロイドに絶対貼りたいカードなので、一枚はキープしておかなければなりません。サンダーに貼ることもありますが、UBに貼ることでテテフやデデンネに届きやすくなるのでそのプランが見えそうな時は手札に残しておきましょう。
エスケープボード…3枚
時々ジラーチ以外にも貼るので3枚。あくまで体感ですが、対非GXはブロアーが少なくジャッジ系列で流されることが多いので先に貼っておく、対GXはブロアー率が高いのでにげるタイミングで貼るのが良いと思います。
リーリエ…3枚
もちろん適切に使えれば強いカードですが、後から使いたいカードを手札に貯めるデッキの特性上、
①初手で出せないカードと一緒にリーリエが来ても効果が薄い=必ずしも初手に使って有効ではない
②試合が進むにつれ手札をため込むようになるとバリューが低くなる
ため、1枚削って3枚にしました。
シロナ…1枚
上記と同様の理由で、終盤にしか使わないカードをリセットできるサポートが必要なのでピン積み。
グズマ…4枚
都合のいい相手を倒し続けるデッキの特性上、常に手札に持っておきたいカード筆頭です。序盤中盤終盤振り回して相手を崩しましょう。
デンジ…2枚
サンダース入りジラサンとかなら文句なしの4投ですが、UB入りでは「レインボーエネルギーにタッチできないこと」+「ドロー枚数が少なくこの先もレインボーエネルギーにタッチしにくいこと」が気になります。もちろんスケボーやエレパなどピンポイントでサーチできる強さはあるので、控えめの2枚。
エリカのおもてなし…2枚
ちょっと多めに2枚。相手を詰めるためにはいくつかパーツが必要なわけですが(特に対TAG)、ジラーチだけで全てを揃えるのは少し難しいです。そこで、試合の間で一回「たくさんカードを引く」必要があります。現状ハンドを失わず大量ドローできるのがエリカなので、2枚採用。1枚はハイボ等で雑に切ってもOKです。
ククイ博士…1枚
祠が場に残り続けると+20点が役に立つこともあります。打点を刻むことが多いこのデッキでは、相手にとって想定外のダメージを出せる可能性があることに価値があると思います。
ジャッジマン…1枚
対TAGでは手札を減らすのが汎用的な対策として有効、ということで1枚入れていますが、自分の手札が減るのがあまりにも不安定なので全然使えていません。エンニュートHANDなんかもちらほらいる以上1枚は入れておくべきだろうと思いますが、要検討枠です。
レッドの挑戦…1枚
ダブルブレイズ要素。詰めのパーツを何が何でも持ってくるための最後の切り札です。「なんでも」持ってこられるのはやっぱり便利。ん?
戒めの祠…2枚
今までダメージ計算のところでしきりに祠10と出ていたと思いますが、それだけ重要なカードです。即割られたとしても10点削れれば170→160(鉢巻ダイキリ)、270→260(鉢巻フレアストライク、鉢巻エレパ4エネカプサンダー)と都合のいいHPになってくれるので、試合の中で一回は必ず出したいカードです。したがって2枚。居残り続ければそれだけ要求パーツが減るのでアドバンテージを稼げ続けます。
サンダーマウンテン◇…1枚
このカードがないと解決しない状況はそうそうないので、雑に切って大丈夫です。サンダーに貼るエネを節約して後ろのUBに貼る動きができれば強いです。
基本雷エネルギー…5枚
4枚だとトラッシュにエネが全く落ちずコケコ◇を活かしきれなかったり、サンダーにレインボーエネを手貼りせざるを得ない状況が生じたりしたので5枚で安定させています。5枚にすることでハイボで切りやすくなりました。
レインボーエネルギー…4枚
手に入れる手段が素引きかレッドしかないのでMAX4積み。
ビーストエネルギー…1枚
鉢巻とレインボーエネが一つになった便利エネルギー。GXを狩るタイミングで使いたいです。一応UBについていればエアロトレイルで巻き込めます。
○各デッキ対策
ここ最近見たデッキのゲームプランをあげていきます。
ピカゼク
マッシブーンでピカゼク1体、その他ポケモンの削りでピカゼク1体orGX2体を倒すのが基本プラン。順番は前後することも。マーシャドーで手札を流される危険性が特に高いデッキなので、手札に勝ち筋を貯め込むプレイはリスキー。削れる時に削っておきましょう。
レシリザ
相手サイドが2枚になるまで耐えて、ウツロイドでフレアストライクを盗んでレシリザ1体→コケコGXのカプサンダーでレシリザ1体 が一番太い勝ち筋だと思います。前半で削れるならそれが一番ですが、それを許さない速度で攻めてくるのでのらりくらりと耐えるのが吉。
ブースター入りでも大きくは変わらないと思いますが、ボルケニオン入りだとサンダーが簡単に一撃で持っていかれるため、どのように立ち回るべきか模索中。
ウルネク
アサルトサンダーイカいじめ選手権です。なるべくマーイーカorカラマネロを倒し続け、息切れしたところでテテフorデデンネを倒してサイドレースを優位に進めたいところです。
滅亡の光で滅亡しないように要注意。ジラーチは出しても2体まで、カミツルギは出さないことをおすすめします。
最近入ってるミミゲンが倒せずに詰むことがないよう、グズマは終盤まで握っておく必要がありますね。
ルガゾロ
順当に回れば たねを狩ってGXをワンパンできるので有利ですが、ルガンの狙撃やベトンの特性でジラーチが機能しないため事故率が高くなるのが問題です。ジャッジマンが多投されているデッキも多いので、なるべくたねを多く並べて少ない手札でも戦えるように準備しておきましょう。あいにく、ルガもゾロも弱点が突けるので適切な場面でポケモン、エネ、グズマが揃っていればそうそうサイドレースでは負けません。
カメックスGXとまともに向き合わないのが重要だと思います。システムの根幹は非GXカメックスなのでまずはそこをつぶし、動きが止まったらテテフやアロキュウを狙い撃ちしましょう。
まだ実戦経験がないのですが相当厳しいんじゃないかと思ってます。序盤にエレパを2枚引けて、中盤適切にUBをぶつけられる理想ムーブ以外でどう勝てるのか、他の方の体験を聞いてみたいところです。
○最後に
中には当たり前のことや見当違いのこともあったと思います。僕自身もっとスキルアップする必要があると感じているので、ぜひ有益な情報を交換し合いたいです。
ジラサンはまだまだ環境最上位に居座り続けるポテンシャルがあると信じています。毎ターン考えながら先の先まで見据える楽しさを味わってみませんか!?